スイスの名門時計ブランド、ロンジンは、190年以上の歴史を誇る中で新たな革新を遂げ、ブランド初となるカーボンケースを採用した「ウルトラ-クロン カーボン」を発表した。ロンジン独自の高振動ムーブメントを搭載し、精度と耐久性を兼ね備えた優れたタイムピースとして注目を集めている。
この度登場した新作「ウルトラ-クロン カーボン」は、1968年にロンジンが発表した「ウルトラ-クロン ダイバー」に由来するモデル。オリジナルとなるロンジン初の高振動ムーブメントを搭載したダイバーズウォッチとして、時計業界に大きなインパクトをもたらした。ロンジンはすでに1910年にはスポーツ計時用に高振動ムーブメントの特許を取得しており、特にその精度には定評があった。
2022年には、過去の名作を現代的にアップデートした「ウルトラ-クロン」が再登場。さらにアップデートが施されたモデルが「ウルトラ-クロン カーボン」だ。
本作には、最先端のカーボン素材が随所に使用されており、軽さと耐久性が魅力のモデルに仕上げられている。カーボンはハイテク分野で使用されている素材であり、時計のケースに採用するのはロンジンにとっても新しい試みだ。
「ウルトラ-クロン カーボン」の最大の特徴は、ロンジン独自の高振動ムーブメント「キャリバーL836.6」を採用していること。このムーブメントは毎時36,000振動、5ヘルツで動作する高精度な機械式ムーブメントだ。高振動ムーブメントは、一般的な機械式ムーブメントに比べて、衝撃や姿勢の変化に対する安定性が大幅に向上し、優れた精度を誇る。ロンジンは過去1世紀以上にわたり、高振動技術の先駆者として、その技術を進化させてきた。
また、ムーブメントにはシリコン製のヒゲゼンマイが採用され、耐磁性の面でも優れた性能を発揮する。ISO764規格を大きく上回る耐磁性を持ち、外部の影響を受けにくいため、より安定した精度を誇るのだ。
加えてジュネーブの独立時計試験所TIMELABによってクロノメーター認定を受けており、厳格なテストを経てその高い精度が証明されている。クロノメーター認定を受けるには、15日間にわたる精度試験を通過する必要があり、その間に様々な姿勢や温度でテストが行われる。
デザイン面で特筆すべきは、1968年モデルにインスパイアされた特徴的なクッション型ケースを採用していることだ。このケースは、カーボンファイバーとエポキシ樹脂を高温・高圧で圧縮し、コールドカットで仕上げられるという独特の製造工程を経て作られている。これにより、ケースにはランダムな繊維のパターンが生まれ、それぞれの時計にユニークなディテールがもたらされた。
ケース直径は43mmで、程よい大きさと存在感を持ちながらも、カーボンの軽量性により、時計全体の重量はわずか80g以下に抑えられている。これにより、長時間で快適に着用できる実用性も備わる。
ベゼルはチタン製、固定式。10刻みの目盛りが刻まれたアルミニウム製インサートが使われている。ケースバックとねじ込み式リューズもチタン製で、全体的に軽量でありながら高い耐久性を誇る。
またダイヤルには、サンドブラスト仕上げのアンスラサイトカラーが施されており、そこにシルバーのインデックスが施されている。インデックスと時分針にはスーパールミノバ®ブルーの夜光が施され、暗所でも高い視認性を誇る。
「ウルトラ-クロン カーボン」は、外見の美しさだけでなく、高振動ムーブメント、優れた耐久性、そして高精度を兼ね備えている。まさにロンジンの技術革新とデザイン哲学の結晶だ。
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