2024年10月に突然発表された、ボール ウォッチの「ロードマスター M モデル A」。ボール ウォッチらしいタフな外観は、見慣れたロードマスターそのものだが、本作は単なるカラーバリエーションやマイナーチェンジではない。なんと、新開発のアラームムーブメントを搭載しているのだ。
現行ではあまり見なくなったアラームウォッチ。ハイエンドなブランドではまだラインナップにあるが、手の届きやすい価格帯となると、一部のブランドを除いてセカンドハンドマーケットをあたるしかない。そうだとしても、すでに日本国内でのサポートが終了しており、修理の際にスイス本国へ送らなくてはならないモデルも少なくなく、付き合い方に頭を悩ませる。いつかは欲しいアラームウォッチ。ただしそのハードルは案外高い。
そんなハードルを一気に下げてくれたのが、ロードマスター M モデル Aだ。そのムーブメントの開発には、およそ3年もの期間を要したという。決して巨大なマーケットとは言えない機械式時計。その中でもニッチなアラームウォッチの開発に踏み切り、さらにこれだけの年月を掛けるのだから、同社の本気度たるや相当なものであっただろう。
さて前置きが長くなったが、今回はその話題作の実機レビューをお届けしたい。5000Gsの耐衝撃性や100m防水など、同社らしい高レベルな基本スペックを備えつつ、3つのタイムゾーンを同時に表示可能なGMT機能など、多機能性を誇る本作。その魅力はアラームだけではない。
多機能性と視認性を両立させるブラックダイアル
ブラックのダイアルは、一見してシンプルながらも複雑な構成を持つ。中心にはアラーム用のマーカーを配したディスク、その外周には赤いGMT針を取り付けた細いリング、そしてそのさらに外側にはインデックスの並ぶリング、最外周のフランジには24時間表記。多機能性を実現しながらも煩雑に見えないのは、複雑機構を有したモデルを多く手掛けるボール ウォッチだからこそのバランス感覚がなせる業だろう。
針とインデックスには、お馴染みの自発光マイクロ・ガスライトが搭載されている。多くの時計で用いられる蓄光塗料は、明るい場所で光を蓄え、それを暗所で解放している。光を放出しきると視認性は失われる。一方で自発光マイクロ・ガスライトは、文字通り自ら光を放っているため、暗所でも光が途中で途切れてしまうことがない。
タグ:
ハイブランドコピー